湘南工科大学は、JR東海道線「辻堂駅」を最寄り駅とし、湘南海岸にほど近い恵まれた環境に位置します。アクティブラーニングなど主体的な双方向型学修法を全学的に導入し、コミュニケーション力や協働力の育成に力を注いでいます。2018年からスタートした「横断型学修プログラム」では、IoT、AI、XRメディア、ロボティクスなどの先端技術分野をテーマに、学部・学科の枠を越えて2年次から研究活動に参加、発展的に学ぶ機会を提供しています。2023年度には新たに「情報学部」を開設するなど、実践的、創造的な能力を備えた人間性豊かな技術者の育成という使命を全うすべく、進化し続けます。
加藤研究室では、「IoTを活用したワイヤレスセンシング」をテーマに研究を行っています。図1は開発したスポーツ義足用高機能アダプターの外観です。本装置は、ひずみゲージとアンプ、加速度・角速度センサ、Wi-Fiモジュール、リチウムイオン電池で構成され、義足のアダプターに取付けて使用します。計測するデータは地面反力、足の振り速度・振り角です。計測したデータはWi-FiによりリアルタイムでPCに送信されます。これにより、競技者のトレーニングのサポートやスポーツ義足の開発に貢献します。
小島研究室・池原研究室は、共同でセンサネットワークやIoTの自動車や福祉機器への応用研究に取り組んでいます。本展示では、IoT化を目指している自動運転電動車椅子に関するご紹介をいたします。本電動車椅子は、現在の電動車椅子を改良して自動運転化し、自動操縦及び自動に帰宅できる仕組みを開発しています。また、搭載したカメラを使用しての遠隔操作を可能とします。図2は開発中の電動車椅子の外観です。この技術を介護現場での被介護者、介護者双方のQoLの向上に役立てようと考えています。さらに遠隔操作を可能とすることで、遠距離の親子が疑似的に車椅子散歩をさせることを目指しています。今後は、事後防止のために通信速度と画像処理の高速化を進めてまいります。
野中研究室では、繊維強化プラスチックを活用したスポーツ用品の設計、評価を行っています。運動時に選手や道具にかかる負荷を検出し、挙動を評価するため、機械的特性や運動特性にまつわる各種データを集計するセンサネットワークの構築に取り組んできました。近年は、サーフボードの機械的特性評価や使用中の挙動モニタリングに関する研究や、テニスラケットに取り付けたセンサからグリップ力やインパクト前後のスイングを計測する研究を行っています。将来的には、競技者に適したスポーツ用品の選定やフォームの修正に役立てたいと考えています。